静かに月光に落ちる夜が来ると、太陽の下に隠れていた煌びやかな美しさを現わすところ、慶州。
静かな東宮の姿と城壁をめぐらした照明、趣のある月光が作り出す眺めと言ったら!池に映った影と実際の境界が曖昧になった、神秘的な姿はしばらく見ていても、簡単に足を動かせない光景だ。
慶州の代表的な夜景スポットの瞻星台-月淨橋-鷄林-雁鴨池(東宮と月址)コースは徒歩で約1時間ほどかかる。夜道の散歩が嫌なら、自転車ツアーもお勧めする。
1.瞻星台
瞻星台(チョムソンデ)は東洋で現存する最も古い天文台である。
瞻星台は新羅 27代善德女王の時に作られた天文台で空に現れる日気を観測して星の位置を知るために作られた。直線と曲線が調和している石造建築物で1962年 12月20日に国宝 第31号に指定された。
瞻星台の形は円筒形で30cmの大きさの石362個で27段重ねて作られた。下から4.16mになる 地点に一辺が1mの正四角形の出入門がありその下に梯子をかけた跡が残っている。
内部は 12段まで 土に埋まっており19段, 20段と 25段, 26段の2箇所に '井'字の長い 石がかかっていてその両側が外にでている。
全体の高さは9.17mで, 下の石の一辺の長さが5.35mになっている。
入場時間は午後10時までで、入場料は500ウォンである。
2.鷄林
鷄林(ケリム)1963年に史跡第19号に指定された森である。
慶州金氏の始祖、閼智が誕生したという伝説がある由緒深い場所で、このような話が残されている。新羅脱解王の時に、瓠公がこの林の中で鶏の鳴き声を耳にしたので、声が聞こえる方に近寄ってみると、木の枝に金の装飾がほどこされた櫃が引っかかって、光を放っていた。このことを王に話すと、王は自ら林へ行き櫃を下ろし、ふたを開けると中から男の子が出てきたので、この子の姓を金、名前を閼智とつけ、もともと始林、鳩林と呼ばれていたこの林のことを鶏林と呼ぶようになったと伝えられてる。
境内にある碑は、朝鮮純祖3年(1803)に建てられたもので、金閼智誕生についての記録が刻まれている。新羅王城の近くにある神聖な林で、また新羅金氏王族の誕生地でもあるこの地は、今でも鶏林には王達やケヤキの木がいるような錯覚さえしてしまう。
3.月淨橋
新羅の景徳王19年(760年)に築造され、高麗忠烈王6年(1280年)に重修された月淨橋(ウォルチョンギョ)は新羅宮城の通路で、元曉大師が瑶石宮に訪ねたとき、この橋を利用したと三国史記に記録されている。 520年間、橋の機能を保持したが、現在はその機能を失って復元工事をしている。現在は立入り禁止だが、夜になると川に映る月淨橋の姿を観覧することができるし、この夜景はとても美しい。
4.雁鴨池(東宮と月池)
慶州夜景のハイライトはやはり慶州市仁旺洞に位置する新羅の池、雁鴨池で、統一新羅文武王14年の時、別宮である臨海殿に大きな池を掘り、その中に3つの山を作り花や木を植えて、奇異な鳥と獣を育てたと言う。国の大事なお客さんを迎えたり、軍神たちが集いの場として使用していたというので、その時代では、どれだけ美しかっただろう…。
後、雁鴨池は2011年7月に「慶州東宮と月池」に名称が変わった。