3月の終わりを過ぎて、詩人エリオットが歌った残忍な4月になると、躍動する生命力が春風に乗って感じられます。まさに、春の伝令と呼ばれる桜がそうです。鎮海余佐川の両側に、びっしりと建てられた桜の木が、丸いトンネルを作り出したそこは、現実の感覚をすべて消してしまったよう童話のような世界です。だからCNNでは"韓国で行かなければならない美しい50選"の中の1つとして、ここを指定しました。鎮海の中の余佐川、桜の名所として限定するには、どこか表現の欠乏が大きく感じられるところ。いっそのこと桜の王国、桜の国と呼んで欲しいです。
ドラマ<ロマンス>で男女主人公が、再会することを約束した、その見慣れた橋が見えます。実際、余佐川がこれだけ有名になるまでには、ドラマの影響が大きかったです。しかし、今ではいつ無名時代があったのかと思うほど、春の週末には、あちこちで花見客で溢れかえります。
小川の両側では、黄色い菜の花が、甘い香りを出しながら咲いていますが、これはあくまで桜の脇役にすぎません。しかし、済州で菜の花は、花の中の花と呼ばれています。桜が美しいところ訪れたいなら、開花情報が出た少し後に行ってみて下さい。桜の一番の見どころは、風により散って行く姿だと考えるからです。落花の美しさを歌ったイヒョンギ詩人の、切ないフレーズが浮かびました。
鎮海内水面環境生態公園の入口から始まり、鎮海女子高前まで続いた桜のトンネルは約1.5kmに達します。ゆっくりと歩いて行けば、短くはない距離です。この通りを愛する人と一緒に、手を繋いで歩くと、お互いが一生の伴侶になる、という俗説も伝えられています。春のロマンにとても似合う物語です。ここで大切な人と思い出を作るのも良し、毎年、別の人と訪ねて来て、遠い将来本物の伴侶が誰なのか、探ってみるのも面白いでしょう。
Jack's Tip
1.祭りの期間のみ一般に公開される、海軍士官学校と海軍基地司令部の桜はオリジナルホットプレイスです。
2.太白洞から安民生態橋までの約4km区間は"十里桜並木"となっており、道が美しくて歩くのにも適しています。