島々の組み合わせが秀麗な景観を誇る、多島海の統営に聳え立っている小さな島が見えます。島が多い韓国の統営で、特記すべき島を探すのは、ややもすると無意味に見えるかもしれませんが、ここ長蛇島だけは少し特別です。早春の頃、赤く咲き誇った椿の群落を遠くに眺めると、島全体が一輪の花のように華やかです。この美しさは、地中海やカリブ海の風景と同じくらいです。
遠くから眺めた島の姿が、蛇の形状に似ているとして'長蛇島'と呼ばれるようになったこの小さな島に、2011年12月、大規模な公園ができました。椿をはじめ、島全体が暖帯林群落とホオノキ、野生花で覆われて四季豊かな森を成す、島の特徴に着目しました。その昔には、14世帯80人余りが住んでいた島でしたが、人々が1人2人と去って行き、寂しい無人島に変わってしまいました。誰も戻らず訪れない島でしたが、その花々だけは綺麗に咲き誇っていました。だから、人々はここを自生花島、あるいはカメリアと呼んでいます。
公園には、水生植物園とメンバル公園、学習館など、様々な施設が揃っています。また、中央公園、屋外ギャラリー、屋外公演場などには、様々な造形物や彫刻品が展示されており、旅行者たちのフォトゾーンとして人気があります。島の真ん中にある長蛇島分校は、1991年に廃校になった閑散小学校長蛇島分校を昔の姿に復元しました。今は長蛇島開発映像室として活用されており、庭に造成された盆栽園では、150本の盆栽が飾られています。
青い海に向かって建てられた楕円形の温室は、長蛇島海上公園の見どころです。ここには、主にシダ植物や多肉植物などが展示されており、学生たちの体験教育が行われる学習館も備わっています。その他の迷路庭園、椿トンネルなど、様々なテーマプレイスをすべて見学すると、2時間ほど所要します。