チュオは漢字で鰍魚と書きドジョウを表す。タンはスープの意味である。
内臓や骨などで作っただし汁に豆腐、キノコ類、ネギ、ニンニクなどの具を入れて煮込んで鍋に、別に火を通しておいたドジョウを加えて一緒に煮る。テンジャンやコチュジャンの濃厚でピリ辛みそ味のスープにぴりっとした山椒がきいているのが決め手。
見た目はグロテスクだが、いかにも庶民の栄養食である。だが、これは好き嫌いが分かれるようだ。
チュオタンは、昔から庶民がよく食べた伝統健康食で、時期的には秋が一番おいしい。その理由は冬眠の準備をするため夏の間中いっぱい食べて太るからとかで、この時期のドジョウはたんぱく質が豊富でカルシウムやビタミンA・B・Dが多いので精力増進、強壮剤として有名だ。韓国の民間療法ではドジョウは痔や関節炎の治療にも使われ、特に陰萎症にドジョウを茹でて食べると良いと昔からよく食べられてきたスタミナ食である。
チュオタンには、ドジョウを丸のまま使用するソウル式と、すりつぶしてだんごにして使用する南部式の2種類がある。
南部式では山椒が多く入るが、これが南部独特の味で、中毒性がある味わいである。
* お勧めグルメ
① 密陽チュオタン(055-362-0334 / 慶尚南道梁山市三湖洞490-7) : 化学調味料を使わない、料理の味が一品である。
② ソンダムチュオタン(055-389-1995 / 慶尚南道梁山市新基洞541-33) : 淡泊した味が最高であるお店。この店の珍味であるオルクンイチュオタンは、特有の味で人気のメニューである。