梁山は洛東江の近くにあって、淡水魚が簡単に獲れ、昔からこれを多くの料理に活用した。ところが、今は無くなった料理の種類がかなり多いそうだ。
ニシン目・カタクチイワシ科に分類される魚の一種である「エツ」の刺身が、まだ命脈をつないでいるのであるが、海の魚であるエツは、4〜6月に産卵のために河川を探してくるので、昔は梁山近くでよく獲れることができる魚種であったと。
珍しい食べ物で、朝鮮時代には進上(地方の土産物を王様に捧げること)にもあったそうだ。
だが、洛東江河口堤が出来てから、現在はエツを見ることが出来なくなった。それでも勿禁邑にはまだエツの刺身を販売している刺身屋があると。ここで獲れたエツではなく、蟾津江(ソムジンガン)の河東や木浦から入ったものである。
もう、この地域で獲れないが、エツの刺身は梁山の郷土料理には間違いない。千切りしたエツの上に刻んだワケギとごまをふりかけ、酢コチュジャンにつけて食べる。その味がコノシロに似て香ばしくて淡泊である。淡水と海の味、両方を味わえるので、4〜6月頃に是非食べてみてください。
* お勧めグルメ
①勿禁市場刺身屋(055-381-3848 / 梁山市勿禁邑勿禁里392-40) : 現在、梁山で唯一エツの刺身を販売している所で、安い価格で梁山固有の味を味わえる。