統営に"春春春〜春が来た!"
メイタガレイとヨモギが会って春分のオーラを吹き込む
済州島には綺麗な花が春を知らせるなら、統営の春はメイタガレイとヨモギが春を知らせる。凍土に根を下ろしたまま、冬の間の忍苦の寒さに耐え、すくすくと育ったヨモギの青い香りとふっくらと太ったメイタガレイが会って香ばしくて美味しそうな匂いを出す。それで春に統営へ行くと、島全体がこのスクグク(ヨモギのスープ)の匂いがする。海のメイタガレイと海風当たって育った山のヨモギが会ったから本当に土地の味が半分、海の味が残り半分といえる。
なのが、メイタガレイとヨモギ、どちらがメ-インなのかは知らない。最初、誰かがメイタガレイのスープにヨモギを入れたのかそれともヨモギのスープにメイタガレイを入れたのか…。とにかくその変な試み一つが、今日の統営名物を作った。
誰もが食べるメイタガレイ、
その正体が気になる
▲(左)ヒラメ (右)メイタガレイ
メイタガレイは当魚河岸では高級魚に属する、流通量の少ない魚の一つである。 全長20cmに満たない小型魚であれば価格も安めだが、中・大型になると キロ単価がぐっと上がる上、目方もかかるので「高級魚」入りしてしまう。
カレイと言えば、マコガレイ、マガレイ、赤ガレイ、黒ガレイ、ナメタガレイなどカレイ目カレイ科に属する馴染み深い魚が多いが、メイタガレイも同じ仲間だ。
体は菱形で体高が高く、厚みがある。頭は小さく両眼は接近していて飛び出し、その間は盛り上がっていて前後に二つの棘のような突起がある。
そしてとても小さな口がちょこっとついている。有眼側(ゆうげんそく:眼のある側)は茶褐色で無数の不定形な黒色斑紋があり、無眼側は白色だ。また、表面にはヌメリがあってウロコは非常に細かい。
メイタガレイは30センチ前後の大きさで、体高があり、四角形に近い菱形である。
目が突出しているし、目と目の間には棘がある。
多くの人々がメイタガレイとヒラメを区別するのが難しいというが、この時は「左ヒラ右メイ」という簡単な区別法を覚えましょう。正面に見たときに目が左に傾いているならヒラで、右側に傾いているとメイタガレイである。しかし、ヒラメの中、子ヒラメは目がまだ右から左に傾いてない状態で、判別が難しい場合もある。
骨が柔らかくて魚肉が多い統営のメイタガレイ
スクグクに料理して食べると味も良く、体にも良く…。
メイタガレイは 一般的には産卵の前が一番味が良いと言うが、残念ながら、この時はメイタガレイの禁漁期だ。禁止された期間を越えて獲れた春のメイタガレイは、産卵直後で魚肉がシコシコしない。それで、統営の人はスクグクで食べたようだ。
他の味付けは一切せず、味噌とメイタガレイを入れる。ここに大根と昆布、長ネギを加えると味がより深まる。最後に、ヨモギを入れる。ヨモギはそれ自体が調味料であり、スープの裏技でもあるのだ。
これを味わうためにわざわざ統営まで訪れる観光客もいる。
中央市場を中心にスクグクの香りに付いて行けばいいのだ。そして訪ねて行った店はスクグクだけなのか、一緒に出てくるカタクチイワシの塩辛とほうれん草、アオノリなどのおかずも最高の味である。
* お勧めグルメ
①元祖ミルムル食堂(055-643-2777 /慶尚南道統営市港南洞 139-33) : 必要な分だけ中央活魚市場とソホ市場ですぐにメイタガレイを買ってくるお店である。だからこそ、より新鮮で美味しいメイタガレイを食べれる。さっぱりとした味わいが特徴である。
②ブンソ食堂(055-644-0495 / 慶尚南道統営市西湖洞 177-337) : ソホ市場の中に位置する小さなお店。お店の規模は小さいが、食堂の前で魚を手入れしている慶尚道のおばさんの味が感じられる店である。毎朝忠武港から入れた新鮮な材料で料理をしてくれる。