• 済州(西帰浦)みかん
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    他の果物は春頃から夏を過ぎて秋まで収穫されるが、みかんは冬の間、厳しい寒風に熟していく果物である。それで、寒くなるほど暖かい部屋の中で食べるみかんは、まさに蜜の味だ。このみかん、といったら浮かび上がる故障。
    済州はみかんの王国である。
     
    まず、みかんはミカン科の常緑低木。またはその果実のことで、様々な栽培品種がある。甘い柑橘ということから漢字では「蜜柑」と表記される。古くは「みっかん」と読まれたが、最初の音節が短くなった。「ウンシュウ」は、柑橘の名産地であった中国浙江省の温州のことで、名は温州から由来する。
     
    先史時代から韓国の土地で育ってきたみかんは、当初から済州と南部の海岸地帯でよく育ったことで推定される。高麗時代には済州みかんが王室への貢物として捧げたし、朝鮮時代までは王室の特別な管理を受けた貴重な果物だった。王室で別に柑橘類の木を管理するために、済州に官吏を派遣したり、その収穫物をすべて漢陽(今のソウル)に送って、朝鮮王室の家族と集中管理だけ味わえるようにした。今は冬のありぶれた果物で、よく食べる一般的な果物だが、昔にはこのように珍しい果物だった。
     
     
    現在では、温暖な気候の南地方全域でミカンが大量に栽培されているが、まだその味は、済州のみかんほど美味しくない。済州も同じ島内でも、気候条件が千差万別で、もっと穏やかな西帰浦産のみかんを最高という。それもそうなのが、西帰浦みかんを一口食べると豊かな果汁はもちろん、プリプリとした食感、そして酸味と豊かな糖度は最高の中の最高だ。
     
    一般のスーパーに納品されているみかんを見ると、ほとんど流通過程でワックスコーティング作業を伴う。青い色のみかんはわざと常温で数日間保管して、コーティング作業まで経って、一応見た目はかなりおいしく見えるようにするものである。それで、購入して食べたら意外に美味しくないのが多いのだ。
     

    だが、西帰浦みかんは違う。もっと青色で表面もざらざらする。
    西帰浦産みかんには特別な飾りが必要ではないほど、味が優れているからだ。

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